飲む日焼け止めの効果に関する意外な事実ーおすすめの飲む日焼け止めは?
先日、「日焼け止めのおすすめ。ノンケミカル、オーガニックから飲む日焼け止めまで」という記事をアップしました。
こちらの記事内ではあまり字数を割かなかった「飲む日焼け止め」ですが、実は反響が大きく、私なりに改めて調べてみることにしました。
調べるうち、意外な事実がいくつか判明したので、新たにまとめてみたいと思います。
このページの目次
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「飲む日焼け止め」は大きく分けて2つの系統に分かれる
海外で数年前から流行していた「飲む日焼け止め」。日本でも今年になってから販売が本格的に始まったようです。 国産の販売中のサプリはだいたいこんな感じです。
よく調べてみると、このサプリたち、全てが独自成分で、違う種類のものなのではありません。 有効成分によって、大きく2つの系統に分けられるのです。
- Fernblock(フェーンブロック)系
- NutroxSun(ニュートロックスサン)系
の2つです。 Fernblock(フェーンブロック)とNutroxSun(ニュートロックスサン)はどちらも、飲む日焼け止めの有効成分です。 開発している会社がそれぞれ違い、それぞれ商標を登録しています。原料やテクノロジーも違います。
飲む日焼け止めの有効成分その1:Fernblock(フェーンブロック)
Fernblock(フェーンブロック)はIFCグループがハーバード・メディカルスクールと開発し、PLエキス(Polypodium leucotomos extract)とも呼ばれます。原料はシダ植物(ポリポディウム・レウコトモス)です。
Fernblock - 公式ページ (archive.is)
飲む日焼け止めの有効成分その2:NutroxSun(ニュートロックスサン)
NutroxSun(ニュートロックスサン)は、スペイン企業Monteloeder S.L.を中心にムルシア大学やミゲル・エルナンデス・デ・エルチェ大学なども加わったチームで開発された成分です。 原料はローズマリーと柑橘類のエキスです。 http://archive.is/qWy0G
2種類の飲む日焼け止めが防ぐもの、その違い
実は、この2つの飲む日焼け止めには、ある重要な違いがあります。
「日焼け止め」の持つ2つの意味
「日焼け止め」の「日焼け」意味って、どういう意味があると思いますか?
実は、英語で「日焼け」という言葉を調べると「Sunburn」と「Suntan」という2種類の単語があります。 どちらも、日本語では「日焼け」ですが、「Sunburn」は、「皮膚が赤くなってひりひりするような症状」を意味し、「Suntan」は、「日に焼けて色が黒くなる」ことを意味します。
欧米では、「Sunburn」(赤くなりひりひりする)が嫌われ、「Suntan」(色が黒くなる)についてはあまり気にされません。 白人は有色人種よりも皮膚ガンリスクが総じて高いので、太陽を恐れる一方、「日焼けはかっこいい」という文化があります。
一方日本はじめアジア文化圏では、「美白」を目指す女性が多く、その両方が嫌われます。
Fernblock(フェーンブロック)もNutroxSun(ニュートロックスサン)も、開発されたのは西洋で、もともと美白志向というよりは肌ダメージからの防護を目的に作られています。
Fernblock(フェーンブロック)とNutroxSun(ニュートロックスサン)の効果
では、色が黒くなる日焼けについて、2つの成分がどう作用するか、公式HPから抜き出してみます。
With its antioxidant and photoprotector properties, Fernblock increases the skin’s resistance to UV damage, helping to prevent photoaging, hyperpigmentation, local immune-suppression and DNA damage
※Fernblock(フェーンブロック)公式ページより(Archive.is)
簡単に翻訳すると、「Fernblock(フェーンブロック)の抗酸化作用と光防護作用は、皮膚の紫外線ダメージへの抵抗力を強め、光老化、色素沈着、局所的な免疫低下、DNA損傷を予防します。」といった意味になります。
No interference with the body’s natural tanning mechanism
NutroxSun is a 100% natural formula with no intervention on the skin tanning system
こちらは、日本語訳があります。
身体の自然な日焼けのメカニズムに影響なし
NutroxSunは100%ナチュラルです。皮膚が本来持つ日焼けのメカニズムへの影響はありません。
※NutroxSun(ニュートロックスサン)公式ページより(Archive.is)
というわけで、Fernblock(フェーンブロック)では「色素沈着」を防ぐと書かれているのに対し、 実はNutroxSun(ニュートロックスサン)には「自然に日焼けする」と書かれているんですね。
両方とも、「日焼け止め」ということで間違いはありません。でも、どちらの成分も「色が黒くならない」ことよりも、肌の損傷を防ぐことに重きを置いています。 美白志向の方は「塗る」日焼け止めを併用された方が良いようです。
Fernblock(フェーンブロック)を使った飲む日焼け止め
さて、様々な製品が出揃いつつある飲む日焼け止め。Fernblock(フェーンブロック)、NutroxSun(ニュートロックスサン)それぞれどんな製品があるか、見ていきたいと思います。まずはFernblock(フェーンブロック)を使ったものから。
美容クリニックドクター監修の飲む日焼け止め「noUV(ノーブ)」
「日本処方、美容クリニックドクター監修、必要なときにだけ飲用」がアピールポイントであるnoUV。 日焼けしそうなときにピンポイントで飲むサプリになります。2時間以上紫外線を浴びる場合は、2時間毎に1粒飲用するそうです。
また、日焼け止めクリームとの併用をオススメしています。
分量は1カプセル250mg、10カプセルで1800円です。
飲む日焼け止めサプリ「P.O.L.C.(ポルク) 」
P.O.L.C.(ポルク) 」には、PLエキス(フェーンブロック)の他、クロセチン、ルテインも配合されています。
飲み方に決まりはなく、朝に2〜5粒飲むことで1日中効果が持続するそうです。
分量は1粒375mg。
7日前から飲む日焼け止め「やかないサプリ」
「やかないサプリ」には、PLエキス(フェーンブロック)の他、NutroxSunでも使われているローズマリー抽出物、メラノサイトを抑制するフィトールと、セラミド・カロテンを含むパイナップル抽出成分が配合されています。
7日間で効果が出てくるのだそうです。一粒530mg。
"公式"飲む日焼け止め「Heliocare」(ヘリオケア)
Fernblock(フェーンブロック)を開発した会社の製造している、言わば”公式”飲む日焼け止め。
ヘリオケアと同じシダ成分の「Life Extension Shade Factor」
ヘリオケアと同じシダエキス(Polypodium leucotomos extract)を1粒に240mg配合したサプリメントです。 Extensionの製品は、iHerbで入手するのがおすすめ。
NutroxSun(ニュートロックスサン)を使った「飲む日焼け止め」
2016年に入って急に話題に上ってきたのがNutroxSun(ニュートロックスサン)の日焼け止めです。
雑誌などで話題の飲む日焼け止め「ホワイトヴェール」
「ホワイトヴェール」には、NutroxSun(ニュートロックスサン)の他、ザクロエキス、メロンプラセンタなどの美肌成分を配合。1日1-2粒飲用。1粒の量はサイトからは不明です。
お日様と賢く付き合う飲む日焼け止め「雪肌ドロップ」
「雪肌ドロップ」の成分表のトップはNutroxSun。きちんと主成分になっていることがわかります。ザクロエキスパウダー、植物プラセンタなどの美肌成分を配合。1粒314mg、定期購入で1ヶ月1パック(60粒)です。
飲む紫外線対策サプリ「メディパラソル」
「メディパラソル」は国内で製造、品質管理を行っているサプリ。NutroxSunの他、Olivex(オリベックス)というオリーブオイル由来成分と、レッドオレンジコンプレックスを配合。1粒250mg、 1パック31粒入りです。
飲む日焼け止めの安全性
さて、飲む日焼け止めの安全性ですが、いくら伝統的な薬草とはいえ、中南米のシダ植物(フェーンブロック)よりも柑橘類とローズマリー(ニュートロックスサン)の方が身近な成分ではありますね…。
ただし、どちらの成分にしても、厳密に言えばアレルギーを起こす人はいるわけです。
どちらが服用するあなたに合うのか合わないのかというのはわかりません。
アレルギーのリスクをとるか、日焼け(太陽光はある程度は必要ですが、意外に体に悪いんです!)リスクをとるか、の2択である、と考えた方が良さそうです。
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国産の飲む日焼け止めの問題点とおすすめ
国産のサプリでは”有効成分”と言いながら、Fernblock(フェーンブロック)・NutroxSun(ニュートロックスサン)が何mg配合かははっきり書いていないものがあります。
公式ではNutroxSun(ニュートロックスサン)は実験では1日に250mgで効果が見られた、としています。(公式ページ(Archive.is)より)
Fernblock(フェーンブロック)についても、公式サプリである「Heliocare」(ヘリオケア)には、240mg-480mgが配合されています。効果を感じるにはそのくらいの量が必要、と考えられます。
国産のサプリについては、Fernblock(フェーンブロック)・NutroxSun(ニュートロックスサン)を原料として購入したうえ、他の美白・肌に良いと言われる成分と混ぜてサプリメントにしているのかもしれません。
意地悪な見方をすれば、Fernblock(フェーンブロック)・NutroxSun(ニュートロックスサン)という有効成分を、薄めてブレンドしている、と言えるのかもしれません。
しかし、日本人の肌質や美白志向に合ったビタミンなどの他の美容成分をブレンドし、総合的に美白ケアするような構成を目指している…という見方も、できるように思います。
また、国産の飲む日焼け止めについては、「日焼けしそうな数時間前から飲む」などの指示があり、一日中、日焼け止めが有効な状態を作るというより、「ピンポイントで効果を上げる」ことを意図しているようです。
例えば、10カプセル単位で販売しているnoUV(ノーブ)などは、販売側のそのような意図が垣間見えます。
ピンポイント摂取、と考えれば、「分量が多くないから効かない」とも一概には言えないと思います。
個人的には、国産サプリでは、雪肌ドロップ、およびnoUV(ノーブ)が塗る日焼け止めとの併用などを指摘しており、比較的誠実な売り方をしているように思います。
飲む日焼け止めとどう付き合うか
Fernblock(フェーンブロック)・NutroxSun(ニュートロックスサン)ともに、皮膚の中の活性酸素を除去し、皮膚の日光への抵抗力を強化する成分ではあります。
私も、強い日差しにたくさん当たる機会にはうまく活用したいと考えています。
国産のサプリはまだ出たてなので口コミが出揃っていませんが、Heliocareについてはちょくちょく口コミを見かけるので、Fernblock(フェーンブロック)については、すでに効果を実感される方がいらっしゃるようです。個人的には2種類それぞを試してみたいです。
また、普通の「日焼け止め」と併用し、ビタミンDの生成のためにも少しは日に当たるようにする…といった形が良いのかなと思います。