効果の高いマヌカハニーはどれか?:効能グレードUMF、MGO、NPA、TA、MGS、Kfactor
マヌカハニーには有効成分の含有量に応じて表示があります。 ボトルに「MGO100」「UMF20+」と表示されている数値です。この数値が、マヌカハニーの抗菌力を示しています。
しかし、その基準が複数存在するため、選びにくいと感じる方が多いと思います。そのあたりを整理してみたいと思います。
- UMF(Unique Manuka Factor)
- MGO
- NPA(Non-Peroxide Activity)
- TA(Total Activity)
- MGS(MOLAN GOLD STANDARD)
- KFactor
UMF(Unique Manuka Factor)
「マヌカハニーについて注意すべき点」でも書きましたが、UMFは、様々な基準が乱立しているマヌカハニー業界で一番オフィシャルな数値です。UMFHA(Unique Manuka Factor Honey Association、UMFはちみつ協会)という審査機関による審査を経て、ライセンスを授与した商品のみにUMFの数値が表示されます。
UMFマークは、マヌカハニーに特徴的な3成分「レプトスペリン」「ジヒドロキシアセトン」「メチルグリオキサール」が成分として入っている、純度・品質ともに高いマヌカハニーであることを保証します。
UMFは、マヌカハニーに関する最新の研究に基づき、国際的に認められた検査方法によりマヌカハニーの格付けを行っています。 UMFの数値は「レプトスペリン」「ジヒドロキシアセトン」「メチルグリオキサール」の量によって、5以上の数字のグレードに分かれています。
この数字は、検査対象のはちみつから取り出したメチルグリオキサールが、同じ濃度(%)のフェノール水溶液(消毒に使われる殺菌効果のある薬剤)と同様の殺菌効果を持つことから来ています。
フェノール水溶液は病院で消毒・殺菌のために使用されますが、使用される濃度は1.5〜5%程度なので、メチルグリオキサールの殺菌力の強さがうかがえます。
なお、殺菌力だけなら、メチルグリオキサールの濃度だけが問題になります。それでも、他の2つの成分についても検査を行っているのには理由があります。
「レプトスペリン」はマヌカの独自成分であり、この成分がしっかり入っていることはその他のはちみつが混ぜられていないことの証拠となります。また、「ジヒドロキシアセトン」は加熱や酸化により失われる成分であり、加熱処理や品質管理が適切であることが分かる成分です。
まとめ
UMFは最もオフィシャルな基準。他のはちみつが混ぜられていないこと、殺菌力のみならず、適切な加熱処理・品質管理が行われていることを保証する。
MGO
日本で入手しやすく、またグレードも高いマヌカハニーのメーカーのひとつである「マヌカヘルス」などで独自に採用している数値が”MGO”になります。
MGOは1kgのマヌカハニーに何mgのメチルグリオキサールが含まれるか、という含有量を基準にしています。 UMFの数値に対して、大体のメチルグリオキサール含有量が算出されているので、MGOからUMFを算出することも可能です。
ただし、「マヌカヘルス」社については、MGOを表示に使っているものの、UMF協会の公認も得ていて、非常に高品質なマヌカハニーを生産している業者でもあります。
まとめ
MGOはマヌカヘルス社などで採用されている基準でメチルグリオキサールの含有量を示す。UMF他の数字とはかなり異なった値になるが、大体の換算は可能。
NPA(Non-Peroxide Activity)
マヌカハニー以外の蜂蜜にも殺菌効果があることが知られていますが、これは、「過酸化水素」という物質に由来します。そして、マヌカハニーのグレード「NPA」は「過酸化水素以外の活性」を意味します。マヌカハニー独自の抗菌成分「メチルグリオキサール」がどれだけ含まれるかを検査しています。この数値は、「同じ濃度のフェノール水溶液と同じ殺菌力がある」という基準です。数字の上では、UMFと同じになります。
マヌカハニーの生産者にとっては、認証にかかる手間やコストを削減でき、製品価格に反映できるという利点があります。
まとめ
NPAはUMFと同じ数字になる。生産者にとってUMF認証には手間やコストがかかるため、NPAを基準とすると、製品価格に反映できる。
Total Activity
他に市販のマヌカハニーでよく見かけるのが「TA」Total Activityです。TAで示される数字もUMFと同じく、同じ濃度のフェノール水溶液と同じ殺菌力がある、という数字なのですが、UMFが「マヌカハニー中の成分、メチルグリオキサールのみ」の殺菌・抗菌効果のみを測定するのに対し、TAは、「マヌカハニー全体の殺菌・抗菌効果」を測定したものです。(参考:Manuka Doctor WEBサイト)
マヌカハニーはメチルグリオキサールの他にも殺菌力のある有効成分(過酸化水素など)を含みます。 そのため、同じマヌカハニーを調べたとしても、TAはUMFに比べて高め、やや「盛った」数字である、と覚えておきましょう。
まとめ
TAはマヌカハニー全体の殺菌・抗菌効果を測定した値。同じマヌカハニーを測定した場合、UMFやNPAより、やや高めの数値になる
MGS(MOLAN GOLD STANDARD)
MGS(MOLAN GOLD STANDARD)は、最近採用する会社が増えてきた基準です。マヌカハニーの成分が一定の基準を満たしていることを確認した上で、さらにマヌカハニーに含まれるメチルグリオキサールの量に応じて、それが消毒薬フェノール水溶液の濃度何%の殺菌効果があるかという数字を示します。数字上は、UMF、NPAと似た数値になります。公式サイトには、MGOとMGSの換算表があります。
まとめ
最近増えているMGSもUMF、NPA同様の数値となる。
KFactor
さて、ウェダースプーン社はマヌカヘルス社ほどメジャーではないのですが、珍しいマヌカハニーの「生」はちみつを取り扱っているメーカーであり、また、「NO GMO」(遺伝子組み換え作物不使用)マークを取っているメーカーです。
ここのマヌカハニーの基準がまた独自で、はちみつの中に含まれる花粉のうち、何%がマヌカの花の花粉か…をグレードにしており、”KFactor”と名付けられています。 マヌカハニーに含有される花粉、酵素、過酸化水素、メチルグリオキサール、その他の要素を総合的に評価しようという試みのようです。
はっきりとは書かれていないのですが、Kfactorの数字はUMFと同じく、フェノール水溶液と比較した数字になるようです。 性質としてはUMF(メチルグリオキサールだけを評価)よりもTA(他の殺菌成分なども含めて評価)に近いものになりそうですね。
まとめ
KFactorはウェダースプーン社の基準。フェノール溶液換算でUMFと同様の数値となるが、TAと同様に高めの数値になる。
ざっくりまとめてしまうと、
- フェノール溶液換算のUMF、NPA、TA、MGS、Kfactorは似たような数字になる
- ただし測定法により厳密な基準を持つUMF、NPA、MGSは数字が低めになる
- MGOの数字はまた独自だが、UMFの値を推測することは可能
という感じですね。
マヌカハニーはちょっと薬臭い蜂蜜で、数値が高くなるほど抗菌力も上がるものの、香りも強くなります。そのため、有効成分から食べやすさを推測できるとも言えます。
食べているうちに慣れてはきますが、試しに1つ食べてみて、自分の食べやすいマヌカハニーについて手がかりにする、と考えると良いと思います。
マヌカハニーに関する記事です。もう1記事読んでいきませんか?
マヌカハニーについて、他にも記事を書いています。どうぞごゆっくりお楽しみください。
-
【iHerb(アイハーブ)で買おう】マヌカハニーのすべて【効果・危険・UMF・MGOを解説】
マヌカハニーのすべて:効果・危険性・基準(UMF・MGO)・本物を買う方法 この記事を読めば、マヌカハニーについて必要な情報は一通り理解できます。 マヌカハニーとは マヌカハニーの味・食べ方 マヌカハ ...
-
マヌカハニーの基準を解説【UMF・MGO・NPA・TA・MGS・Kfactor】
効果の高いマヌカハニーはどれか?:効能グレードUMF、MGO、NPA、TA、MGS、Kfactor マヌカハニーには有効成分の含有量に応じて表示があります。 ボトルに「MGO100」「UMF20+」と ...
-
マヌカハニーについて注意すべき点
マヌカハニーを利用する上で注意すべき点をまとめました マヌカハニーを利用する上で注意すべき点は、下記の通りです。 がん、糖尿病、真菌、コレステロール、腸内細菌についての効果は不明 有効成分「メチルグリ ...
-
マヌカハニーの効果・効能の本当の話【実はまだ研究が必要】
マヌカハニーの効果・効能の本当の話 マヌカハニーは、ニュージーランド原産の「マヌカの木」から採れる蜂蜜です。現地では経験的に薬のように用いられてきた歴史があります。現在、ニュージーランドが先導に立って ...